並行輸入品とは何か

「Amazonでブランド品を見ていたら、商品名に“並行輸入品”って書いてあったけど、何のことだかわからない」という人向けのページです。並行輸入品を5つのポイントで説明すると次の通り。

  • ブランド品の定価は、国によって違う
  • 並行輸入店の仕入れ先は、定価が安い国の直営店など
  • 直営店などで仕入れているので本物
  • 海外向けの商品なので、国内向けと微妙に違う
  • 商品の保証は、販売店のものになる

 

国による定価の違い

国によって通貨や物価が違うので、同じ商品だからといって、世界規模で価格の統一はできません。そもそも、その国に見合った金額にしないと売れませんし、国によって販売コストが違います。宣伝費、直営店の人件費、アフターサービスにかかる費用など、どの国も一緒とはいかないので、必然的に その差が価格に反映されるわけです。

もちろん、買う側からしたら安い方がいい。どうせなら安いところで買おうと、ブランド品を漁りに海外旅行する人がいるのは、このためです。旅行者は免税されるという理由もありますが……。

ネットが普及した今なら、家にいながら個人輸入という手もありますが、偽サイトや輸入規制など、いろいろと面倒な要素がありますし、一定金額以上なら関税がかかるので、その辺が煩わしいかも。

 

並行輸入品の仕入れ先

並行輸入品の仕入れ先は、国内よりも安く購入できる国の直営店などです。直営店で買っているので、偽物ではありません。ただし、A国で販売されているブランド品は、A国に合わせた内容になっています。例えば、A国で使われている言語が英語なら、説明書は英語で書かれているといった具合に。

また、A国用に出荷された物は、A国で販売することが義務付けられているので、そのまま持ち出して他国で販売とはいきません。でも、一度でも購入されれば話は別。この辺の事情は、商品の保証やギャランティカードの日付に絡んできますが、詳細は事項のリンク先にて。

 

タグが削られる理由

たまに、レビューなどで「商品のタグが削られていた」と書かれていることがあります。これは偽物だから削るのではなく、仕入れ先をわからなくする為の措置です。

とあるブランドショップに問い合わせて聞いた話になりますが、バーバリーの商品に付いていたバーコードから仕入れ先が判明し、ライバル店が同じ仕入れ先を使うようになって困ったことがあったそうです。

ライバル店が一般消費者を装い、安く仕入れられた商品を買えば、良い仕入れ先がわかってしまう。これは、仕入れ先の開拓が利益を左右する並行輸入店にとって死活問題。だから、タグが削られるのです。

その理由がわかっても、「削られたのは嫌だ」という人もいるでしょう。そういう人は、国内の直営店で高いものを選ぶか、並行輸入店にタグの具合を問い合わせるのがいいかも。

並行輸入品であっても、ブランド、入荷時期、ジャンルによっては、この手の処置を施さないことがあるので。まぁ、「タグなんて、切って捨てるだけ」というなら、気にする必要もないかもしれませんが……。

なお、詳細に関しては下記リンク先で見られます。

【PR】⇒「タグが削られる理由

 

商品の保証

多くの商品には、製造メーカーの保証が付きます。国内の直営店で買ったブランド品の場合もそうです。一方、並行輸入品の保証は、購入したショップのものになります。

『並行輸入品の仕入れ先』で書いた通り、海外向けの商品を最初に購入したのは並行輸入店になるので、製造メーカーの保証は付きません。代わりに、並行輸入店が独自の保証を設け、何かあればメーカーに修理を依頼したりするのです。

並行輸入品に対するメーカーの対応は様々で、フランク・ミュラーなどは並行輸入品を一切受け付けませんが、ロレックスなどは修理を受け付けています。方針の違いといったところでしょうか。

なお、高級ブランド時計と言えど、時計の心臓部というべきムーブメントは、ETA社製やセリタ社製が大きな割合を占めています。なので、メーカー修理でないと直らないみたいな心配は不要かも。

 

保証期間の違い

並行輸入店の保証が付くと言っても、その期間や保証内容はピンキリ。ブランドによって保証期間が違ったり、レビューを書いたら延長されたり、保証するのは自然故障に限られたり、そうでなかったりと差があります。

もし、保証を重視されるのでしたら、何店か見比べてみるのもいいでしょう。どんなショップがいいのか判断しにくいのでしたら、「AACD」の天秤マークの有無を指標とするのも手です。AACDは一般社団法人 日本流通自主管理協会の略称。簡単に言えば、偽物の流通を阻止することを目的とした団体で、多くの並行輸入店が加盟しています。

AACDのサイトに行けば、加盟店の情報、加盟店を騙る偽サイト情報、ブランド品の見方、加盟するのに必要な条件などがわかります。ただ、見やすいわけではないので、楽天市場の加盟店を知りたいのなら「AACD 楽天市場」みたいなキーワードで検索した方が早いかも。

 

偽物と判断する前に

下記は、一般社団法人 日本流通自主管理協会(AACD)のサイトにある「よくある質問」の引用になります。こんな感じで、参考になることが書かれていますので、ブランド品に興味がある人は見に行ってみるといいかも。

友人に「正規代理店で購入した自分の商品と違うのでニセモノだ」と言われました。どうしたらよいでしょうか。

まず、同じブランドの同じモデルであっても、ロットの違い、製造時期の違い、原産国(メーカーの工場がある国)の違いなどによって差異があることは珍しくありません。
日本の直営店や正規代理店で購入した商品とお持ちの商品に差異があるから、即、ニセモノだと判断するのは適切ではありません。購入後、何らかの情報によってお持ちのブランド品に不安が生じた場合は、まず購入した販売店に差異点について問い合わせてみるとよいでしょう。その販売店が協会会員企業のケースは、そこから協会にも連絡が入ることがあります。場合に応じて、協会が間に入って、対応していくことも可能です。なお、会員以外の販売店の場合はこのような対応が難しいこともありますので、ご理解ください。

 

リサイクルショップで買取りを依頼したのですが、断られました。ニセモノだ、ということでしょうか。

2つの可能性が考えられます。
1つは、ニセモノの可能性が高いと判断し、婉曲に断ったという場合です。もう1つは、単に、買取りに適さないと判断した場合です。例えば、汚れがひどかったり、傷が目立ったり、あるいは人気ブランドでなかったり、等の理由によります。ニセモノの判断は商標権者しかできないので、たとえ、リサイクルショップでニセモノの可能性が高いと判断され、買い取りを断られたとしても、それはあくまでリサイクルショップの判断となります。そのことだけでニセモノであることが「確定」するわけではありません。また、全てのリサイクルショップに統一した買取り基準があるわけではないので、別の店では買い取ってくれるケースも考えられます。なぜ、取り扱いができないのか、その根拠を説明してもらい、納得ができない場合は、一度協会の消費者Q&Aセンターにご相談いただいてもよいかと思います。

引用元:よくある質問 | 一般社団法人 日本流通自主管理協会 AACD

疑う前の再確認

ブランド品を扱うショップは、「偽物」というキーワードと一緒に検索されることが多いです。購入者の評判を気にして「評判」で検索するように、ブランド品なら偽物かどうか確かめるからでしょう。

各ブランドの直営店なら偽物を気にする人も少ないでしょうが、いろんなブランドを扱っているショップだと、本物かどうか疑ってしまうというもの。直営店よりも安いと、その疑いは強まることでしょう。

ですが、よく考えてみてください。偽物を売るようなショップが何年も続くでしょうか? 楽天市場やYahoo!ショッピングに出店しているのなら、偽物を販売した時点で出店を取り消されるはず。

「安いから偽物だ」「直営店と付属品が違うから偽物だ」という人の中には、並行輸入品を理解していない人も大勢います。わかっていない人の口コミや評判ほど、参考にならないものはありません。

また、同じブランドの同じモデルであっても、ロットの違い、製造時期の違いによって、差異が生じることがあります。その辺の事情を知らない人が「直営店で買ったのと違うから、これは偽物だ」と言ったとしても、真に受ける必要はないでしょう。

ブランド品の買取をしている店にしても、ロットや製造時期の違いを知らないスタッフを見かけることもあります。不勉強な人間は、どこにでもいるもの。よくわからないものは、「うちでは買い取れない」と言っても不思議はありません。

もちろん、状態が悪すぎて買わないこともあるでしょうし、売れる見込みがない不人気ブランドは買い取らないでしょう。売る人が多くて在庫過多なら、見るのも嫌かもしれません。彼らも商売なので、仕方のないことです。

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