肝炎ウイルス検査を受けてみた話

検査結果

病院に行ったら、「肝炎ウイルス検査を受けたとことは、ありますか?」という印刷物があったので、気になって手に取りました。それによると、肝炎ウイルスに感染すると、自覚症状が無くても肝硬変や肝がんになる可能性があるとか。感染に気づいていない可能性としては、100人に1人くらい。

「肝臓は沈黙の臓器」と言うだけあって、自覚症状が無いこともあるんだなと思いながら読み進めると、感染しているかどうかは血液検査で判明し、住んでいる自治体では無料検査を実施していると知りました。

それで、検査を受けた結果が画像になります。陰性なので、感染していなかったようです。個人的には検査終了ですが、「肝炎ウイルス検査は、一生に一度はやっておけ」みたいに言われているので、受けようかと検討している人向けに流れを書いてみました。

 

保健所の予約と血液検査

私が住んでいる自治体では、保健所や一部の医療機関で、肝炎ウイルスの検査を実施しています。なので、自治体のホームページに行き、手順を確認することから始めました。

基本的な流れは、最寄りの保健所に電話して予約し、その日に行って採血するだけ。アンケートの記入や医師による問診もありましたが、メインは採血なのでササッと終わります。個人的な感想になりますが、「たぶん、陰性だろうな」という雰囲気が、スタッフ間に漂っていました。

そもそも、検査を受ける人が少ないのか、採血が終わると医師たちは即撤収。珍しく予約した私一人の為に、その時間を空けてくれた感じがして、なんだか申し訳なかったです。検査結果は、採血から一週間くらいで届いたはず。

一緒にエイズ検査や性感染症検査も受けることが可能で、そちらは匿名でも大丈夫でした。まぁ、やっていませんが……。なお、肝炎ウイルス検査は身分証明書が必要でした。

肝炎ウイルスって、何なのか

今回の検査は、C型肝炎ウイルス検査(HCV抗体検査)とB型肝炎ウイルス検査(HBs抗原検査)になります。

それぞれ、血液中のB型とC型の肝炎ウイルスの有無を調べるものですが、C型で陽性と出た場合は「感染している状態」のほかに、「感染したが治っている状態」もあります。

ただし、病原体が体の中に入ってから、一定の期間が経過しないと判定できないことがあります。B型肝炎なら2ヶ月以上、C型肝炎なら3ヶ月以上です。

つまり、採血した日から逆算して2~3ヶ月の間の感染はわからないけど、それより前に感染したかどうかを調べる検査になります。

余談ですが、エイズなら12週間以上、性器クラミジアなら2週間以上、梅毒なら6週間以上過ぎないと判定できないようです。

肝炎ウイルスの種類と特徴

肝臓の病気というと、お酒が原因のような印象を持ってしまいがちですが、肝硬変の要因を見るとアルコール性が12.1%なのに対し、B型肝炎ウイルスが20.4%、C型肝炎ウイルスが49.3%と割合が高いです。

日本で肝炎ウイルスに感染している人は、B型キャリアが110~140万人、C型が200~240万人と言われています。キャリアとは、自覚症状はないものの、ウイルスが棲みついた状態のこと。

肝炎という文字の通り、ウイルスが体内に侵入して肝臓で増殖し、炎症を起こす病気がウイルス肝炎です。A~E型までありますが、日本の肝炎ウイルスはA型、B型、C型がほとんど。

感染に気付かずに治癒する人もいれば、長い時間をかけて進行する人、急に症状が悪化する人がいます。B型肝炎は1985年にワクチンが開発され、C型は1988年にウイルスが発見され、肝臓病との密接な関係がわかったそうです。

 

B型肝炎の感染

  • ウイルスを含んだ血液が体内に入ると感染
  • 精液・膣分泌液・唾液に微量の血液が混じることも
  • 以前は輸血による感染があった
  • 主な感染経路は性行為と母子感染

C型肝炎の感染や傾向

  • 20~50年かけて肝硬変や肝臓がんに
  • ウイルスを含んだ血液が体内に入ると感染
  • 感染力は弱い
  • 以前は輸血や血液製剤による感染があった
  • 注射器の連続使用で拡大

肝炎ウイルスの対策

日常生活で感染することは、ほとんどないようです。

予防としては、他人に体液には触れない。触れたら洗い流す。カミソリや歯ブラシなど、他人と共用しない。注射器の回し打ちはしない。ピアスなどの針を使う行為は、衛生的で信用できるところを選ぶ。

治療方法としては、インターフェロン療法があります。C型の場合、肝庇護(かんひご)療法で進行スピードを抑えることも。B型はラミブジン療法というウイルスの増殖を抑えるのもあります。

詳しくは「日本肝臓病患者団体協議会」「全国肝臓病患者連合会」「財団法人 ウイルス肝炎研究財団」「公益社団法人 日本医師会」のサイトなどで。

感染の危険性が高い人

  • 40歳以上
  • 過去に肝機能の異常を指摘された
  • 大きな手術、出産で大出血した
  • 1992年より前に輸血している
  • 輸入非加熱血液凝固因子製剤の投与を受けたことがある
  • フィブリノゲン製剤の投与を受けたことがある
  • 長期間 血液透析を受けている
  • 刺青や不潔な器具を使ってピアスをしたことがある
  • 注射の回し打ちをしたことがある
  • 医療従事者など、血液に触れる可能性が高い
  • 肝臓病が多い地域に住んでいる

こういった内容のものを書いていると、「人間ドッグを受けた方がいいかも」と思えてきます。大丈夫そうに見えて、ひっそり何かが進行しているかもしれないので……。

でも、ぶっちゃけ面倒くさい。人間ドッグとか、朝早くから一日がかりですしね。そりゃ、自宅で可能な検査キットが売れますよ。