キクラゲの種駒を買ってみた

アラゲキクラゲの種駒を買いました。知らない人の為に書くと、種駒は木片にキノコの菌糸を培養させたものになります。種駒と言っても、キノコは胞子を飛ばして増えるので、種と聞いて連想するような種はありません。なので、種菌として培養させた菌糸を使っているわけです。菌糸というのは、菌類の体を構成する糸状のものを指します。

この種駒を木に打ち込むことで、キノコを栽培する準備が整います。このページでは、そこまでの過程を書いたつもりです。説明書通りに行っていますが、素人が初めてやっているので、初心者の体験談レベルの話になります。

アラゲキクラゲの種駒

アラゲキクラゲの種駒

アラゲキクラゲの種駒は「森のきのこ倶楽部」というショップで、1,907円で購入しています。写真の物で400個入っていて、打ち込む原木は10~15本必要となります。本数は、長さ90cm×直径10cmの原木で算出しています。

種苗法に基づく違法行為

「キクラゲで儲けた」「キクラゲに投資する人が増えている」なんて話を聞くと、「一発、当てようか」と思う人もいるでしょうが、こんな感じで売られている種駒は、自家栽培以外はNGとなっています。種苗法に基づく違法行為として、海外への持ち出し、種苗の製造、種苗の販売や無償提供がダメ。つまり、自分の家で栽培して食うだけになります。

開封後の種駒

袋から出した種駒は湿っています。乾燥したら菌が死んでアウトなので、湿っていて当たり前なんですけどね。開封したら最後、残った種駒を翌年使用することはできないので、一気に使い切ることになります。

榾木(ほたぎ)の用意

榾木(ほたぎ)

種菌をつける原木のことを「榾木(ほたぎ)」と言います。キクラゲの榾木に適しているのは、エノキ、クルミ、ハンノキ、ブナ、ポプラ、ヤナギ、サクラ、ハゼ、カエデ、ケヤキ、ホオノキ、クリ、ナラ、クヌギなどになります。

地元の森林組合

榾木の入手ルートは、ホームセンター、自分で木を切る、森林組合と様々ですが、今回は地元の森林組合から購入しています。購入したのはナラの原木で、1本170円のものを10本。自分で木を切って用意する場合は、新芽が出る前の樹木が成長を休止している時期に行うそうです。

ナラの原木

伐採した後は、枝が付いた状態で30~40日ほど放置し、玉切りします。玉切りというのは、早い話が丸太作り。枝を切って、適切な長さに切断すること。この作業は枯れやすい木と、そうでない木では内容が異なるようです。

枝葉が付いたまま放置するのは、そうすることで葉から水分が出ていき、適度な乾燥状態になるからだそうです。一方で、原木を水に漬ける方法もあったりと、初心者としては「?」なことが多いですが、流派的なものがあるのかも。まぁ、この辺の作業を終えた原木を買うだけなら、気にしなくてもいいでしょう。

原木への接種

原木への種駒の接種は、暖地で12月~3月、寒い地方で2月下旬~4月下旬が適期になります。寒い地方に住んでいるので、4月下旬に作業を行っています。

電動ドリル

購入店では、種駒用のキリで穴を開けることが推奨されていますが、400個も手動で穴を開けるのはダルいので、家にあった電動ドリルを使用しています。これは家族がシイタケ栽培時に使っていたもので、結構な重さがあり、音がうるさいです。

穴の間隔は、水平方向に16~20cm。垂直方向に4cm。原木の端からは5cm離します。いわゆる千鳥植えをするので、穴は千鳥の足跡のようになるはず。

ハンマーで打ち込み

穴を開けたら、種駒をハンマーで打ち込みます。原木の表面が平らになるよう打ち込むのですが、穴開けが不十分だと全部入らないことも。一緒に作業した人は、「先が尖ってる種駒の方がいい。これは、やりにくい」と言っていました。

種駒の泡

種駒を打ち込むと、表面に泡が吹き出ます。湿っている種駒なので、打ち込まれて水分が押し上げられたのでしょう。ここで注意しなくてはいけないのは、穴を開けたままにしないこと。空けた穴を種駒で塞がないと、そこから害菌が入って、キノコの菌が広がらなくなるようです。

仮伏せ作業

原木を横積み

接種を終えた原木は、菌糸が広がりやすい状態で時を待ちます。写真は横積みですが、やや乾いた原木なら縦積みでもいいようです。仮伏せ作業は、菌糸が活着できるよう、温度と湿度を保つための作業になります。なお、活着は根付いて成長すること。

コモ型ネット

湿度を保つため、原木に何かを被せる人も多いようです。最初、使わなくなったカーテンで覆っていたのですが、いつの間にかコモと呼ばれるネットに替わっていました。カーテンでは見てくれが悪いと思ったのか、家族が買ってきたようです。

拡大したコモ

コモを拡大すると、写真のような感じになります。風や雨が通るようになっているんですね。昔は藁などを使ったようですが、今となっては入手しづらいので、コモを買う方が早いでしょう。仮伏せは1~2ヶ月ほど行い、活着が確認できたら本伏せにします。