検索の見方|実は知らなそうなチェックポイント
これは、ネットをよく知らない身内向けに用意した説明文をもとにしたページなので、熟知している人には退屈な内容でしょう。
検索結果は、どこから?
知りたい内容の言葉を入れて検索すると、それに関係するページが出ますが、その表示内容を正確に理解できていない人も少なくありません。
上は、「リスティング広告 運用」で検索した際の表示です。
「広告」と書かれているのは検索結果ではなく、リスティング広告と呼ばれる広告になります。「リスティング広告 運用」で検索する人は、リスティング広告に興味がある人でしょう。興味がなければ、検索などしないので。
「検索する」=「興味がある」ということは、興味がある人だけに広告を見せられるということ。不特定多数の人に宣伝するCMやチラシとは、効率の良さが違うわけです。
また、ネット上の移動履歴から、広告経由で購買に繋がったのか把握できるので、効果測定が取れます。この辺がネット広告が増え、それ以外の広告が減る理由でしょう。
リスティング広告
リスティング広告は、誰かが広告を出稿すると表示されるようになります。
例えば「リスティング広告 運用」と検索されたら、出稿した広告が表示されて、1回のクリックにつき243円払うといった具合。この広告費が検索エンジンを運営している会社の収入となっています。なお、広告の出稿は個人でも可能。
Yahoo! JAPANもGoogleの検索エンジンを使っているので、基本的には同じ結果になります。
「基本的には」と書いたのは、パーソナライズド検索していたら、結果が変わるからです。
ちなみに、「Bing」「DuckDuckGo」だと、まったく違った検索結果になるでしょう。
パーソナライズド検索
パーソナライズド検索というのは、利用者に合わせてカスタマイズする検索のこと。
Googleのアカウントを持ち、ログインした状態で検索すると、その人の行動履歴に合わせた内容に検索結果が変化します。これがパーソナライズド。
その人の傾向を分析し、求めているものを表示します。
ログインしていなくても、パソコンやスマホから位置情報を発信している場合は、現在位置に合わせた情報を優先して表示します。
余談ですが、スマホのロケーション履歴がオンになっていると、「いつ、どこにいたのか」が記録されますが、履歴として記録できる場所は限られます。
こういった個人情報の収集が問題視されることもあり、「DuckDuckGo」のような情報を収集しない検索エンジンの需要もあるのです。
個人情報の扱いに関しては、各サービスの利用規約に書いています。
シークレットモード
Googleアカウントにログインした状態であっても、シークレットモードなら事情は少し変わります。
検索結果の最上位
先の表示の続きですが、「広告」の文字が無い『リスティング広告とは?費用や運用のやり方を紹介』が、検索結果の最上位となります。
検索結果で上の方に表示されたものほどクリックされますが、結果は「良い順」に並んでいるわけではありません。
仮に「良い順」なんてものが存在したとして、その基準が不明確では意味が無いでしょう。
検索結果は、検索エンジンのアルゴリズムによって決定します。
何を優先して上位表示するのかは、プログラムで決まっているという話。
世の中には無数のサイトがあり、無数のページが存在します。
かつては1サイトずつ人間の手で検索エンジンのデータベースに登録していましたが、Googleが登場した頃からクローラーが行うようになりました。
クローラーが集めたサイト情報は、図書館の本のように整理されます。検索する人は、図書館に本を借りに来た人。
「検索する」というのは、司書に探している本を聞いているような状態で、検索結果は司書が持ってきた本になるでしょう。
そこに「良い順」は ないのです。
「探しているのは、これだろう」という判断から並べられた結果が、検索結果。
似たような本ばかり持ってきても代わり映えがしないので、方向性が違うのを混ぜる。これと同じことが、検索結果にもあります。それを「Query Deserves Diversity」と言います。
検索の変化
引用元:検索の仕組みから理解!SEO対策に重要なクローラー・サイトマップ・robots.txt | Enjoy IT Life
検索エンジンは日々進化しているので、そのアルゴリズムも定期的に変化します。
なので、同じ言葉で検索しても、去年と結果が違うのは珍しくありません。
その検索キーワードに関するサイトが増えているなら、なおさら。
検索の見方
次に、検索で表示される文字について。
『リスティング広告とは?費用や運用のやり方を紹介』と出ていましたが、これはタイトルタグの文字が出ているだけです。
サイトの中身を見ると、<title>~</title>で囲われた箇所があります。
これがタイトルタグと呼ばれるもので、サイトの制作者がつけた「ページのタイトル」となります。
ページ内容は素晴らしいのに、イマイチなタイトルをつけるサイト制作者もいるので、ここの文字だけで内容を判断するのは早計でしょう。
紹介文
『リスティング広告とは?費用や運用のやり方を紹介』の下に『リスティング広告は、Google広告や、Yahoo!広告のプラットフォームから配信可能な、検索エンジンの検索結果に表示される広告です』と出ていますが、これはディスクリプションの文章です。
こちらは、<meta name="description">で始まるタグの文章が表示されているだけ。
このディスクリプションが無い場合は、ページ内の文章を検索エンジンが要約し、適当な長さの文章を表示させています。
ディスクリプションを含め、metaで始まるメタタグは、そのページに関する情報を記述するタグです。かつては<meta name="keywords">が検索結果に大きく影響しましたが、今となっては存在価値がありません。これもアルゴリズム変化の一例です。
ディスクリプションも、サイトを制作した人によって、丁寧なものと雑なものがあります。
更新日とアドレス
検索結果で、ディスクリプションによる説明文の横にある日付は、更新日です。
そのページの文章が「最後に更新されたのは、いつか」を示すものなので、新しい情報か否かを判断するには いいでしょう。
初心者にとって難しいのは、アドレス。
上の例では「https://digimarl.com」や「https://anagrams.jp」です。
まず、プロトコル。
「https」か「http」で始まっているはず。
端的に言えば、「s」が付いている方が、セキュリティのレベルが高いことになります。
SSLサーバ証明書どうの、通信データの暗号化どうのと解説すると長くなるので、その内容は割愛します。
レベルが高いと言っても、中身を見ると「http」から「https」へ移動させているだけという状態も少なくありません。
「.htaccess」での転送方法を検索すれば、具体的な方法もわかるでしょう。
ドメイン
続いて、ドメイン。
ドメインは、ネット上の住所なので、同じ住所は存在しません。
同じ名称に見えても、後に続く文字が「co.jp」だったり、「.com」だったりします。
このドメインには意味があり、「co.jp」であれば「日本の企業」という意味を持っていました。
内訳は「.jp」が日本のドメイン名で、おそらくjapanのjpでしょう。アメリカなら「.us」で、イギリスなら「.uk」といった具合。
「co」が会社のドメインで、commercial、company、corporation の最初の文字だろうと言われています。
「意味を持っていました」と書いたのは、中古ドメインが売買されているからです。下の画像は、実際に売られている様子。「.org」は非営利団体向けに用意されたドメインです。
日本の会社じゃなくても「co.jp」が買えたり、非営利団体じゃなくても「.org」が買えたりするなら、当初 想定されていた意味はなさなくなります。
だから、「意味を持っていました」と過去形にしました。
なぜ、ドメインが売買されるのかと言えば、それは買う人がいるからです。
そして、ドメインを所有し続けるには更新費用が必要だから、要らなくなったら手放したいのです。
中古ドメインを買う理由は幾つかあるでしょう。
どうしても そのドメイン名が欲しい場合などは想像しやすいですが、最たる理由はSEO対策です。SEOというのは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略。
要は、検索結果で上位表示されたいので、評価が高いドメインが欲しいのです。
ドメインは住所なので、現実の土地と同様に その価値には差があります。
ずっと良い情報を発信し続け、需要があるサイトのドメインは、検索エンジンのアルゴリズムから高く評価されます。
逆に、ろくでもないことを発信し続けたサイトはペナルティを受けて下がりますし、需要が無いサイトも評価されません。
なので、良い評価を既に得ているドメインが欲しいのです。
中古ドメインを買う理由は幾つかあるでしょう。
※ 厳密には、そう簡単に善し悪しが割り切れるものでは ありません。
SEO対策
SEO対策は、ドメインだけの話ではなく、ページの構成だったり、タグの使い方だったり、他のサイトからのリンク状況だったり……。そういった様々な要素を総合的に見て、検索エンジンに好かれるサイト作りを目指すものです。
最終的には、検索したユーザーにクリックされ、ページを見てもらうことが目的なので、上位表示だけがすべてではありません。
いずれにせよ、ネット上の集客は検索結果が占める割合が高いので、よく検索されるキーワードや、購買に繋がりそうなキーワードでは、熾烈な争いが繰り広げられているのです。
ちなみに、クリック率は検索結果1位が平均で31.7%、2位は24.71%、3位は18.66%、4位は13.60%、5位は9.51%といった調査結果があります。
このSEO対策だけを考え、誤った医療情報が上位に来る「WELQ問題」がありました。
WELQとは、DeNAが運営していた医療情報サイトの名称です。現在は、こういった問題への対処も行われています。
迷惑メールとドメイン
下の画像は、迷惑メールの類です。いわゆる詐欺。
こういったメールに対処するうえでも、ドメインの知識は有用です。
迷惑メールでは、文字が妙に揺れていたり、日本の漢字と少し違う漢字が使われていたりします。こういった違いは、海外で作成されたものによく見られます。
「日本の漢字と少し違う漢字」は、大半が中国の簡体字です。簡略化された漢字で、東南アジアでも使用されています。複雑化した漢字は繁体字で、台湾で使われています。
ドメイン知識が役立つ箇所は、「確認用アカウント」のリンク部分です。
リンクとは、クリックすると移動する仕様になっている箇所のこと。
「確認用アカウント」のリンク先は、
「https://www.amazon.co.jp.803cc82d58e17bca7ac589c42c543885242b9.info/803cc82d58e17bca7ac589c42c543885242b9/amazon/signin.php?country=JP-Japan&lang=en」となっていました。
リンク先は、カーソルを合わせると画面下などに表示されます。
最初に「amazon.co.jp」とあるので、「Amazonだ」と思ってはいけません。
これはサブドメインです。
サブドメインは、誰でも好きなようにつけられるもので、場所はサードレベルドメインの前になります。ドメインの後に続く、ディレクトリやファイル名も同様。
先のリンクのドメインは「803cc82d58e17bca7ac589c42c543885242b9.info」だから、Amazonとは無関係になります。
こういったメールは、下手に開いたりせずに削除。
開いてしまっても、どこかをクリックしたりせずに、無視して削除してください。
とはいえ、来た時点で迷惑メール用のフォルダに入っていることが大半でしょう。